「原爆の絵」が完成
―高校生たちが被爆体験を絵に描く―
 本財団は、広島市立基町(もとまち)高等学校普通科創造表現コースの協力を得て、平成19年度から、本財団被爆体験証言者と同校生徒が共同し、証言者の記憶に残る被爆時の光景を描き、当時の状況を伝える「原爆の絵」の制作に取り組んでいます。
 8人の証言者と18人の生徒が平成28年度から制作を進め、このたび、18点の絵画が完成しました。
 7月4日(火)に、基町高等学校展示ギャラリーで行われた完成披露会には、7人の証言者と、絵を制作した生徒を始めとする創造表現コース生徒のほか、本財団及び基町高等学校関係者が出席しました。
 川に漂う無数の死体を描いた生徒は、「最初は凄惨(せいさん)な世界を絵に表現できるか不安だった。 水の色を忠実に再現するため何度も描き直した。 制作を通して自分の想像以上の現実があったことを学んだ。 今後も平和のためにできることをしていきたい」と話してくれました。
 完成した「原爆の絵」は、被爆体験をより深く理解してもらうため、証言者による被爆体験講話で活用するほか、絵の貸出や、画像データの提供なども行い、原爆被害の実相を後世に継承するために役立てています。
「防火用水の中で立ったまま焼かれた被爆者たち」
製作者: 三坂(みさか)日奈子(ひなこ)(基町高等学校2年生)、
浅野(あさの)温生(よしお)(本財団被爆体験証言者)
「焼け跡からやっと見つけた孫娘を連れ帰るお婆さん ―その女の子の膝から下は骨になっていた―」
製作者: 野村(のむら)かなめ(基町高等学校3年生)、
浅野温生
「川で亡くなった人々を収容する兵士」
製作者: 加藤(かとう)詩温(しおん)(基町高等学校2年生)、
浅野温生
「くちびるの潰れた友達」
製作者: 奥野(おくの)天葵(てんき)(基町高等学校2年生)、
浅野温生
「家族を火葬する人たち」
製作者: (かめたか)菜那(なな)(基町高等学校2年生)、
浅野温生
「焼けた電車内、逃げる間もなく死んでいった二人の亡骸」
製作者: 桐林(きりばやし)(いさお)(基町高等学校2年生)、
浅野温生
「『遺体収容所』になった二中のグランドに並んでいた()巻き状態の遺体」
製作者: 川ア(かわさき)友貴(ゆき)(基町高等学校3年生)、
浅野温生
「日赤病院前の無傷の死体」
製作者: 前田(まえだ)葉月(はづき)(基町高等学校2年生)、
浅野温生
「炎から逃れ水を求めて雁木(がんぎ)に集まってきた人々」
製作者: 松田(まつだ)優奈(ゆうな)(基町高等学校3年生)、
大田(おおた)金次(かねじ)(本財団被爆体験証言者)
「潮の引いた河原の惨状」
製作者: 黒川(くろかわ)奈夏(なつ)(基町高等学校3年生)、
大田金次
「払っても寄ってくるハエ、異様な臭いに群がるウジ」
製作者: 今村(いまむら)遥香(はるか)(基町高等学校3年生)、
笠岡(かさおか)貞江(さだえ)(本財団被爆体験証言者)
「御幸橋より 波に漂う(しかばね)
製作者: 石田(いしだ)菜々子(ななこ)(基町高等学校3年生)、
河野(こうの)キヨ美(きよみ)(本財団被爆体験証言者)
「『友達を助けてくれ!』『火が(まわ)って来たぞ、逃げろ!』」
製作者: 宮本(みやもと)陽菜(ひな)(基町高等学校2年生)、
兒玉(こだま)光雄(みつお)(本財団被爆体験証言者)
「爆風で亡くなった女性」
製作者: 河ア(かわさき)海斗(かいと)(基町高等学校2年生)、
新宅(しんたく)勝文(かつふみ)(本財団被爆体験証言者)
「広島文理大学グラウンドの惨状」
製作者: 和田(わだ)はるな(基町高等学校2年生)、
新宅勝文
「市内電車の中で吊革(つりかわ)を持ったまま焼けて、骨になった人」
製作者: 岡田(おかだ)萌々(もも)(基町高等学校2年生)、
新宅勝文
「力尽きた人々」
製作者: 杉江(すぎえ)湧愛(ゆめ)(基町高等学校3年生)、
(パク)南珠(ナムジュ)(本財団被爆体験証言者)
「小学校の体育館でうじ虫を取ってもらっている」
製作者: 島田(しまだ)菜々花(ななか)(基町高等学校2年生)、
松本(まつもと)都美子(とみこ)(本財団被爆体験証言者)

(平和記念資料館 啓発課)

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