平成27年度原子爆弾被爆者実態調査に伴い提出された被爆体験記 「被爆について思うこと」の暫定公開について
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国立広島原爆死没者追悼平和祈念館では、厚生労働省が実施した平成27年度原子爆弾被爆者実態調査に伴い提出された被爆体験記を受領し、整理していましたが、このたび被爆体験記集として仮製本し、当館及び国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館で7月28日から暫定的に公開しています。
原子爆弾被爆者実態調査は、被爆者の生活、健康等の現状を把握すること等を目的に、10年ごとに厚生労働省が各都道府県及び広島市・長崎市に委託して実施するもので、平成27年度は、11月1日を調査基準日として、国内外56,229人を対象に行われました。
国内調査は抽出率30%で回収率は73.2%、国外調査は全被爆者対象で回収率は81.0%でした。
調査票のほかに、被爆者の方には、「被爆について思うこと」として、被爆体験を通じて後世に伝えたいことなど、70年間を振り返っての思いを自由に記載していただき、提出された11,375件の用紙は、被爆体験記として、広島・長崎の両祈念館で保存・公開されます。
このたび仮製本した被爆体験記集は全61巻(外国語4巻、索引1巻を含む)になりました。
被爆者の高齢化が進む中、これだけの規模で被爆体験記が収集できる機会は、今後は少なくなっていくと思われます。
原子爆弾被爆者実態調査に併せた被爆体験記の収集は、これまで、平成7年度、平成17年度にも行われ、それぞれ、81,205件、11,778件がデータベース化を終え、当館の体験記閲覧室及び長崎の祈念館で公開されています。
今回が3回目の収集となる平成27年度分被爆体験記についても、今後、職員が1件1件読み込み、執筆者の被爆当時の職種や所属、被爆区分、被爆場所、登場する被爆者のお名前、登場する地名や施設名等をデータベースに登録し、様々な項目で検索できるようにしていきます。
全件のデータベース化が終わった時点で、改めて製本し直し、広島・長崎の両祈念館で正式に公開する予定です。
被爆体験記には、被爆の惨状、亡くなった家族や友人への思い、そして核兵器廃絶と世界平和への願いが綴られています。
思い出したくない記憶、思い出すのもつらい記憶を、気力を振り絞って書いてくださった方も多くおられます。
被爆体験記を読み、戦争の恐ろしさ、核兵器の悲惨さを知り、平和の大切さを1人でも多くの方に受け継いでいただければと思います。
被爆体験記を通じて、被爆者の「こころ」と「ことば」にふれてください。
なお、貸出や複写サービスは行っておりませんので、ご了承ください。
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仮製本した被爆体験記集全61巻
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【お問い合わせ】 国立広島原爆死没者追悼平和祈念館まで TEL(082)543−6271
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