国際平和シンポジウムの開催
 7月29日(土)、本財団と広島市、朝日新聞社の共催により、「核兵器廃絶への道〜この世界の分断を越えて〜」をテーマに、国際平和シンポジウムを広島国際会議場で開催しました。
 最初に、広島市立千田(せんだ)小学校合唱隊が、校内の枯れた被爆樹木「カイヅカイブキ」を再生した笛「パンフルート」の合奏と合唱を披露しました。
 続いて、戦時下の広島を舞台に困難の中にあっても普通の暮らしを大切に生きる女性を描き、芸術選奨など多くの賞を受賞した映画「この世界の片隅に」の片渕(かたぶち)須直(すなお)監督と、広島の映画館経営者の蔵本(くらもと)順子(じゅんこ)氏の特別対談を行いました。 片渕監督は、蔵本氏が経営する映画館での別の作品の舞台挨拶のために広島を初訪問したことが、この映画製作のきっかけとなったとの逸話を披露しました。
 基調講演では、オバマ政権下で核・軍備管理・不拡散政策担当特別補佐官を務めたジョン・ウォルフスタール氏が登壇し、核のリスクを理解し「核兵器なき世界」の実現を追求したオバマ政権に対し、トランプ大統領は核の危険性を十分に認識せず、米国とロシア、北朝鮮、イランとの関係で核兵器使用のリスクを高めていると述べました。 また、ホロコーストを生き延びた父をもつウォルフスタール氏は、広島・長崎の人々と平和を追求する歴史的義務を共有していると語りました。
 パネルディスカッションでは、ウォルフスタール氏のほか、小溝(こみぞ)泰義(やすよし)本財団理事長、米国ブラウン大学のニーナ・タネンウォルド国際関係プログラム長、ヒバクシャ国際署名キャンペーンリーダーの林田(はやしだ)光弘(みつひろ)氏が、本年7月に採択された核兵器禁止条約や北朝鮮の核問題など、国際情勢について議論しました。 小溝理事長は、核抑止の考え方を変え、核兵器廃絶を実現するには、立場を超えた対話が不可欠であり、核抑止の背景にある相互不信を相互理解や相互協力に変えていくために粘り強い努力が必要であると訴えました。
パネルディスカッションでの小溝理事長

(平和連帯推進課)

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