被爆体験記の執筆をお手伝いしています
 被爆者の高齢化が進み、その体験を記録して原爆の悲惨さ、非人道性を人類の教訓として後世に伝えることが急務となっています。 国立広島原爆死没者追悼平和祈念館では、被爆の記憶を体験記として残したいけれども執筆することが困難な方から、聞き取りを行って体験記としてまとめる被爆体験記執筆補助事業を行っています。
 今年度は11人から聞き取りを行います。 当館では執筆補助を希望された方の被爆に関する証言映像などの資料を確認し、被爆当時の住所、所属していた学校や職場などの情報を整理して、ご本人からお話を伺います。
 今年度の最高齢の方は98歳です。 体の不調を抱えながらも、同じく被爆者の妹さんと一緒に語っていただきました。 「建物内で大きな衝撃を受け、直後に外を見ると、全身の皮膚が焼けただれ、見るも無残な姿の人が行列していた」など、74年以上たった今もなお、思い出すことさえ辛い悲惨な情景を詳しく話されます。 あの日のことを残したい、伝えたいという強い思いを感じました。
 被爆後の暮らしや人生についてもお話を聞きま
職員がご自宅に伺い、当時の地図を一緒に見ながら被爆体験
を聞き取ります。
す。 戦後就いた仕事を振り返って、「不測の事態やもめ事が起こっても、必ず一度立ち止まり、冷静に考えて対処してきた。そのような冷静さは、国境を超えて人と人、国と国が向き合うときに、争いを起こさないために必要だ」と語られた方もいます。 戦争体験と戦後の苦労に裏打ちされた重みのある言葉一つ一つに聞き入りました。
 祈念館では被爆体験記を約14万編収蔵しており、執筆補助事業により編さんしたものが140編あります。 これらは祈念館やインターネット(平和情報ネットワーク>>)でも読むことができます。ぜひ被爆体験記に触れてください。

(原爆死没者追悼平和祈念館)

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