国際平和シンポジウム
「核兵器廃絶への道 〜核兵器の非人道性と被爆体験の伝承〜」
4月のNPT再検討会議第2回準備委員会で70か国以上が賛同した「核兵器の人道的影響に関する共同声明」の発表など、核兵器廃絶に向けた気運が高まる中、7月27日(土)午後、広島市と本財団、朝日新聞社の共催により、「核兵器廃絶への道〜核兵器の非人道性と被爆体験の伝承〜」をテーマに、19回目となる国際平和シンポジウムを広島国際会議場で開催しました。
基調講演
  英国王立国際問題研究所のパトリシア・ルイス安全保障研究部長が、「核兵器の非人道性と非合法化に向けた取り組み」をテーマに基調講演を行い、広島平和研究所の水本(みずもと)和実(かずみ)副所長が内容を解説しました。
  ルイス部長は、核兵器の非人道性を訴える動きが高まっている現状について、「段階的なプロセスを踏んでいては核軍縮が進まないことへの苛立(いらだ)ちがあり、より社会の関心を深めるため、ヒロシマやナガサキのメッセージを伝え、核兵器がもたらす破滅的な影響を考え直そうとしている。」と訴えました。
パトリシア・ルイス氏(右)の講演内容をわかりやすく解説する水本和実氏(左)
ゲストスピーチ
  世界的に有名なプリマバレリーナの森下(もりした)洋子(ようこ)さんが、被爆した祖母や母、そして被爆二世である自身の体験を元に「原爆は絶対にあってはならない。」と核兵器廃絶と世界恒久平和に向けた思いを語りました。
平和への思いをスピーチする森下洋子氏
パネル討論
パネリストからの報告
渡邉(わたなべ)英徳(ひでのり)准教授
―「ヒロシマ・アーカイブ>>」は、被爆者、地元の人たちと製作者が手を取り合って、未来に記憶を(つむ)いでいこうという運動体なのです。 それがデジタル地球儀上に展開されていて、誰でも見ることができるようになっています。
アンドルー・ゴードン教授 ―外国で原爆のことを伝える場合、自分が聞いたこと、自分が感じていることを普通の会話の中で話すことが一番いいと思います。 また、言葉の壁がある場合には、写真や映像などを見せながら話すといいのではないかと思います。
保田(やすだ)麻友(まゆ)さん ―学生だった私の世代は、子どもを持つ世代に変わりつつあります。 自分の子どもに広島の歴史を伝えることができない、広島で起きたことを伝えていきたい、そういった友人の声を聞きます。 私たちは誰もが伝承者であり、責任があります。
成田(なりた)龍一(りゅういち)教授 ―被爆体験の伝承を巡っては長い時間をかけた営みがあり、その中で原爆文学が(つちか)われてきています。 原爆は、これまでに人類が経験したことのない出来事であり、それ故に、被爆を体験として伝承するという決意がなされていったと思います。
三浦(みうら)俊章(としあき)編集長 ―ユネスコ憲章に「戦争は人の心の中に起こるものだから、心の中に平和の(とりで)を作らなければいけない。」という言葉があります。 今回のシンポジウムは、心の中に平和の砦を作る取組の1つかなと思います。
パネル討論の様子

(平和連帯推進課)

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