NPDI(軍縮・不拡散イニシアティブ)広島外相会合の開催
市内の幼稚園児、小中学生と各国外相等との記念撮影
4月11日、12日に第8回NPDI(軍縮・不拡散イニシアティブ)外相会合が、初めて日本で、広島市において開催されました。
  NPDIは、日豪を中心とした非核兵器国12か国(日本、オーストラリア、カナダ、チリ、ドイツ、メキシコ、オランダ、ナイジェリア、フィリピン、ポーランド、トルコ、アラブ首長国連邦)からなる軍縮・不拡散分野における地域横断的な有志国グループであり、2010年のNPT(核不拡散条約)再検討会議での合意事項を着実に履行するとともに、核軍縮・不拡散に関する創造的な政策を話し合うものです。
  当会合の広島開催は、各国の外相たちに、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現を願う広島市民の思いを伝えるまたとない機会であると考え、被爆者の体験や平和への思いを共有してもらうため地元主催による様々な関連行事を企画し、外相会合の日程に組み込んでいただきました。

核軍縮シンポジウム
  初日の4月11日には、「核兵器の非人道性と核兵器廃絶に向けた政府と市民社会の役割」をテーマに核軍縮シンポジウムを開催しました。
  秋山(あきやま)信将(のぶまさ)一橋大学教授のコーディネートにより、各国政府代表や被爆者、NGO、広島市長、広島県知事等の様々な立場の出席者が核兵器の非人道性や廃絶に向けた道筋について議論しました。
  松井一實(かずみ)広島市長は、「核兵器は絶対悪であり、非人道性の極み。広島や長崎の被爆の実相を知ってもらいたい。」と訴えました。
各国外相と被爆者や市民等との意見交換会
  核軍縮シンポジウムに続いて、岸田(きしだ)文雄(ふみお)外務大臣などの各国外相と被爆者やNGO、高校生平和大使、平和首長会議会長である松井市長や副会長である田上(たうえ)富久(とみひさ)長崎市長等の参加による「各国外相と被爆者や市民等との意見交換会」を開催しました。
  広島県原爆被害者団体協議会の坪井(つぼい)(すなお)理事長が、「理性がなければ平和を実現できない。戦争は絶対にいけない。」と訴えるなど、それぞれの参加者が立場や世代を超え意見を交わしました。
坪井県被団協理事長(前列右から3人目)の発言を聞く出席者たち
外務大臣・NPDI外相会合支援推進協議会共催歓迎レセプション・ディナー
  意見交換会の後、歓迎レセプション・ディナーを開催しました。 広島に古くから伝わる伝統芸能である神楽(かぐら)を披露するなど、地元を挙げて歓迎するとともに、地元出席者と各国からの出席者が交流を深めました。

被爆の実相を伝えるプログラム
  外相会合当日の4月12日には、会合の前に、各国外相たちに平和記念公園を訪問していただき、原爆死没者慰霊碑への参拝・献花を行っていただきました。 参道を通る際に市内の幼稚園児や市民等が各国国旗の小旗を振って歓迎活動を行うとともに、市内の小中学生が千羽鶴や英語で書いた平和メッセージを手渡しました。
  続いて、志賀(しが)賢治(けんじ)館長の案内で各国外相たちに平和記念資料館を見学していただき、その後、被爆者の小倉(おぐら)桂子(けいこ)さんによる被爆体験証言を聴講していただきました。
  小倉さんは、「子どもたちに同じ悲劇を体験させたくない。共に平和な世界を築きましょう。」と訴えました。
神楽を鑑賞する出席者たち

平和メッセージを読み上げる子どもたち
志賀館長の説明を聞く外相たち
小倉さんの被爆体験証言を聴講する外相たち
  2日間に渡る一連の関連行事を通じて、世界の政治指導者たちに広島を訪問していただくことは、平和への思いを共有していただく良い機会であると改めて確認することができ、また、2020年までの核兵器廃絶を願うメッセージを国内外に広く発信することができました。
  関連行事後に行われた外相会合では、7か国の外務大臣及び国務大臣を含む各国代表が出席し、核軍縮や不拡散に関する話し合いが行われ、最後に、核保有国を含む世界の政治指導者に広島・長崎訪問を呼び掛けることや核兵器の究極的廃絶に向けた多国間交渉の提唱などの内容が盛り込まれた「広島宣言」が採択されました。

(平和連帯推進課)

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