NPT再検討会議準備委員会に合わせ平和首長会議代表団がニューヨーク市を訪問

平和首長会議(会長 松井一實(かずみ)広島市長)は、今年4月、アメリカ・ニューヨーク市で開催されたNPT(核不拡散条約)再検討会議第3回準備委員会に合わせて代表団を派遣しました。 また、この度初めて「核廃絶!ヒロシマ・中高生による署名キャンペーン」の高校生8人が同行しました。
  松井市長は、準備委員会のNGOセッションでスピーチし、各国政府関係者等に核兵器の非人道性と「核兵器禁止条約」の早期実現に向けた取組の必要性を訴えるとともに、(パン)基文(ギムン)国連事務総長に同条約の早期実現に向け具体的交渉開始のリーダーシップをとっていただくよう求める要請文等を提出しました。 また、関係行事に出席し、挨拶等を行うとともに、各国政府関係者等と面会し、核兵器廃絶に向けての一層の努力を要請するとともに、核軍縮に関する情勢についての意見交換等を行いました。
  松井市長の主な用務は次のとおりです。

4月27日(日)
  アメリカ同時多発テロの標的となった世界貿易センターの跡地であるグラウンド・ゼロで献花を行い、約3,000人の犠牲者に哀悼の意を表しました。

4月28日(月)
  「署名キャンペーン」の高校生とニューヨーク市立スタイベサント高校の生徒との交流会で挨拶し、広島の悲惨な被爆の実相を紹介するとともに、「絶対悪」である核兵器の廃絶を願う被爆者の心の底からの思いとヒロシマのメッセージに対する理解を促しました。 また、この交流会を通じて核兵器のない平和な世界の実現に向けた意思を共有するとともに、互いの友情を育んでもらうようお願いしました。
  続いて、潘国連事務総長と面会し、平和首長会議要請文及び市民署名約21万筆の目録を手渡した上で、「核兵器禁止条約」の早期実現に向けた具体的交渉の開始を含め、一日も早い核兵器廃絶の実現に向けた機運が醸成されるよう尽力をお願いしました。 併せて、来年被爆70周年を迎える広島・長崎への訪問を要請しました。
  また、アンゲラ・ケイン国連軍縮担当上級代表、ロマン・モレイ準備委員会議長、各国代表部の大使等が出席する国連日本政府代表部主催レセプションに出席しました。 レセプションの挨拶の中で、「署名キャンペーン」の高校生が、被爆地の思いを世界に伝え、次代を担う若者として核兵器のない平和な世界の実現に取り組んでいきたいと決意表明し、参加者から大きな拍手を受けました。

4月29日(火)
  「核兵器のない平和な世界を目指して」をテーマとする平和首長会議主催ユースフォーラムを開催しました。
  最初に、松井市長は、被爆体験の風化が懸念されている中、若い人たちを中心として多くの人々が、被爆体験を受け継ぎ、世界に、そして将来世代に伝えていくことが重要であること、将来、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に向けての運動をリードする存在になってもらいたい旨の挨拶を行いました。 コーディネーターは平和首長会議事務総長の小溝(こみぞ)泰義(やすよし)本財団理事長が務め、「署名キャンペーン」の高校生8人、ナガサキ・ユース代表団の大学生2人及び2020ビジョンキャンペーン協会でインターンをしている米国の大学生が、それぞれの平和活動や平和への思い、核兵器廃絶に向けた取組への決意等を発表しました。
  NPT再検討会議準備委員会の会議と並行した時間帯での開催ではありましたが、約80人が出席し、終始立見が出るほどの盛会でした。
平和首長会議主催ユースフォーラムの開催
  続いて、NPT再検討会議第3回準備委員会NGOセッションに出席し、松井市長は、田上(たうえ)長崎市長とともにスピーチを行いました。 松井市長は、69年前の広島の惨状をデータに基づき説明するとともに、被爆者のその後の人生について触れ、核兵器がいかに非人道的であり「絶対悪」であるかを強調しました。 また、核兵器の非人道性に焦点を当てた国家レベルでの議論が進む中、平和首長会議の加盟都市とともに、国連やNGO等と連携して「核兵器禁止条約」の早期実現に全力を尽くしていくことを表明するとともに、アメリカのオバマ大統領の広島・長崎訪問を呼び掛けました。
NPT再検討会議第3回準備委員会NGOセッションへの出席
4月30日(水)
  広島県主催の「広島の経験をいかして」をテーマとするサイドイベントにおいてスピーチを行い、「2020ビジョン」具体化のための行動計画に基づく取組を説明し、広島市及び平和首長会議は、国境も世代も超えた幅広い市民社会の核兵器廃絶への願いの結集に全力で取り組むことを表明するとともに、「絶対悪」である核兵器の廃絶に向け共に行動してもらいたいと参加者に呼び掛けました。
  また、本イベントに出席したアンゲラ・ケイン国連軍縮担当上級代表は、スピーチの中で平和首長会議の取組を高く評価するとともに、「署名キャンペーン」高校生の活動を好例として挙げ若い人たちの活動の重要性を強調しました。
  続いて、NGO「ピースデポ」等主催の「北東アジア非核兵器地帯の設立へ、今、行動する時」をテーマとするフォーラムにおいてスピーチを行い、核兵器廃絶に向けたシステムの一つとして非核兵器地帯の構築は重要な役割を担っていると述べました。
  また、ジョージ・ロモナコ メキシコ国連軍縮大使等各国政府関係者等に面会し、核兵器廃絶に向けての一層の努力を要請するとともに、核軍縮に関する情勢についての意見交換等を行いました。

(平和連帯推進課)

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