賢人グループ会合・国連軍縮会議の開催
賢人グループ会合
  被爆70周年の今年、8月24日(月)、25日(火)にCTBT(包括的核実験禁止条約)の発効を促進するために、ウィリアム・ペリー元米国国防長官やデス・ブラウン元英国国防大臣など政治的地位の経験を有する著名人や国際的に認められた専門家により構成される「賢人グループ会合」が、日本で初めて広島市で開催されました。
  松井市長は、オープニングセッションにおいて、「会議では積極的かつ前向きな議論が行われ、この広島の地から『核兵器のない世界』に向けた力強いメッセージが発信されることを大いに期待します。」と述べました。
  また、被爆者の体験や平和への思いを共有してもらうため、広島市の提案により、会合のプログラムに広島平和記念資料館の見学、被爆体験証言の聴講等、被爆の実相を伝えるプログラムが組み込まれました。 このプログラム終了後、会議参加者からは、「我々は皆、核兵器が決して二度と使用されないように尽力していかなければならない」などの発言があり、核兵器廃絶に向けて取り組む決意を新たにする機会となりました。
  会合では、米国や中国などの条約未批准8か国に対し、緊急に条約の批准を求める「広島宣言」が採択されました。
小倉さんの被爆体験証言を聴講する賢人グループ会合メンバーたち
国連軍縮会議
  賢人グループ会合に引き続き、8月26日(水)から28日(金)にかけて「第25回国連軍縮会議in広島」が開催され、23か国・5国際機関から83人が会議に参加しました。
  国連軍縮会議は、アジア・太平洋地域において軍縮問題に対する意識を高め、軍縮・安全保障に関する対話を行うことを目的として、国連が平成元年(1989年)から開催しており、広島市では19年ぶり4回目の開催となりました。
  今回の会議では、広島市からの提案により、被爆の実相を伝えるプログラムや、賢人グループ会合のメンバーが参加するオープニングハイレベルセッション、国内外の若者が平和について発表し合う世界学生平和会議が会議プログラムに組み込まれました。

オープニングハイレベルセッション
  初日の8月26日の午前に、「『核兵器のない世界』の実現に向けて〜被爆地からのメッセージ」をテーマに一橋(ひとつばし)大学の秋山(あきやま)信将(のぶまさ)教授の進行により、元為政者、被爆者、広島市長、広島県知事等が参加し、オープニングハイレベルセッションが行われました。
  広島県原爆被害者団体協議会の坪井(つぼい)(すなお)理事長が「原爆の放射線による苦しみは死ぬまで続くが、最後の一呼吸まで核兵器廃絶を(あきら)めない。」と訴えるなど、「核兵器のない世界」の実現に向けて活発な議論が交わされました。
被爆の実相を伝えるプログラム
  8月26日の午後、会議参加者は、被爆の実相に触れ被爆者の体験や平和への思いを共有するプラグラムとして、平和記念公園を訪問しました。 原爆死没者慰霊碑への参拝・献花の後、志賀(しが)賢治(けんじ)館長の案内で平和記念資料館を見学し、続いて、被爆者の梶本(かじもと)淑子(よしこ)さんによる被爆体験証言を聴講しました。
  梶本さんは、「核兵器と人類は共存できません。二度と戦争をせず、核兵器を廃絶してくだい。」と訴えました。
原爆死没者慰霊碑へ献花する会議参加者たち
世界学生平和会議
  次代を担う学生が、被爆地広島において核兵器廃絶や平和問題に係る発表や意見交換を行うことにより、国際感覚を高め、国際社会で活躍し得る人材へと成長する契機とするため、世界学生平和会議を開催しました。
  会議の中で、学生から、「私たちの小さな一歩も重要なステップです。世界をより良くするため、活動を続けていきたいと思います。」など、力強い発表が行われました。
  5日間にわたる一連の行事を通じて、被爆地広島を訪れることは平和への思いを共有する良い機会であると改めて確認でき、また、2020年までの核兵器廃絶を願うメッセージを国内外に広く発信することができました。

(平和連帯推進課)

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