「原爆の絵」が完成
― 高校生たちが被爆体験を絵に描く ―
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本財団は、広島市立基町高等学校普通科創造表現コースの協力を得て、平成19年度から、本財団被爆体験証言者と生徒が共同し、証言者の記憶に残る被爆時の光景を描く「原爆の絵」の制作に取り組んでいます。
このたび、12人の証言者と30人の生徒、卒業生、教員が12グループに分かれて平成27年度から制作を進め、35点の絵画が完成しました。
7月4日(月)に、基町高等学校展示ギャラリーで行われた完成披露会には、12人の証言者と、絵を制作した生徒を始めとする創造表現コース生徒のほか、本財団及び基町高等学校関係者が出席しました。
亡くなった我が子を背負った母親を描いた生徒は「70年経っても消えない記憶を描きたかった。子どもの表情を表現するのがつらかった」、
また、火球から生じた巨大な火炎を描いた生徒は「火球は見たことがなく、イメージが難しかった。平和記念資料館などで調べた」などと、証言者が体験した状況を絵にする難しさを話してくれました。
被爆後の広島の惨状を絵画で残す「原爆の絵」は、被爆体験をより深く理解してもらうため、証言者による被爆体験講話や、伝承者による被爆体験伝承講話で活用するなど、原爆被害の実相を後世に継承するために役立てています。
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「首筋のうじ虫を取っている母の姿」
製作者:久保友莉乃(基町高等学校普通科創造 表現コース3年)、李鐘根(被爆体験証言者)
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「炎の中で助けを求める女の子」
製作者:岡島愛(基町高等学校普通科創造表現 コース3年)、岡田恵美子(被爆体験証言者)
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「自宅の前で黒い雨に遭う自分」
製作者:市川月穂(基町高等学校普通科創造 表現コース2年)、小倉桂子(被爆体験証言者)
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「閃光」
製作者:小川美波(基町高等学校普通科創造表現 コース3年)、笠岡貞江(被爆体験証言者)
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「建物の下敷きになった友達と私」
製作者:橋舞香(基町高等学校普通科創造 表現コース3年)、梶本淑子(被爆体験証言者)
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「死んだ我が子を背負う若いお母さん」
製作者:津村果奈(基町高等学校普通科創造表現 コース3年)、岸田弘子(被爆体験証言者)
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「お寺を襲った炎の竜巻」
製作者:今村遥香(基町高等学校普通科創造 表現コース2年)、國分良コ(被爆体験証言者)
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「延命地蔵の前で休む真っ黒なおじさん (西国街道にて)」
製作者:川ア友貴(基町高等学校普通科創造表現 コース2年)、近藤康子(被爆体験証言者)
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「逃げ惑いながら水を求めて 〜防火用水に群がってみな亡くなっていった〜」
製作者:岡本実佳枝(基町高等学校普通科創造 表現コース卒業生)、田川康介(被爆体験証言者)
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「瓦礫の中から這い出して」
製作者:杉江湧愛(基町高等学校普通科創造表現 コース2年)、原田浩(被爆体験証言者)
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「東練兵場からみた巨大な火炎」
製作者:石田菜々子(基町高等学校普通科創造 表現コース2年)、山本定男(被爆体験証言者)
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「ひどい火傷を負ったおじさん」
製作者:山野一真(基町高等学校普通科創造表現 コース3年)、山本玲子(被爆体験証言者)
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(平和記念資料館 啓発課) |
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