広島平和記念資料館東館リニューアルオープン
 平和記念資料館では、被爆の実相をよりわかりやすく正確に伝えるために、東館と本館の常設展示を全面的に更新する整備を進めています。
 本年4月26日(水)、東館がリニューアルオープンしました。
 新しい常設展示では、模型と映像を組み合わせた新しい展示手法やタッチパネル式の大型情報検索装置の設置、実際に触れることができる資料の展示などにより、来館者が疑問に感じ、関心を持ったことを自ら調べ学ぶことができる展示となっています。

【観覧動線】
 東館の開館と同時に本館が閉館したため、1階から新設のエスカレーターで3階へ上がり、3階の「導入展示」、「核兵器の危険性」、2階の「広島の歩み」の順で展示をご覧いただきます。

【展示内容】
◎ 導入展示

 エスカレーターを上がると壁面に沿って、にぎわう商店街や子どもたちの笑顔などの写真が並び、被爆前の広島に多くの人々の暮らしが息づいていたことを物語ります。 しかし、その風景は原爆により一変しました。
 展示室に市街地模型を置き、その上に被爆前後の航空写真を基にした映像やコンピューターグラッフィックスによる原爆投下の映像を投影します。 多くの人々が暮らしていた街が一瞬にして廃虚となったことを伝える展示です。
東館3階 「導入展示」
爆心地から半径2.5kmの範囲の模型に映像を投影
◎ 被爆者証言ビデオ
 導入展示の次に休憩スペースがあり、その奥に被爆者証言ビデオコーナーがあります。 個別のビデオブースを新設し、約1,000人の証言を視聴することができます。

◎ 核兵器の危険性
 原爆の開発から投下に至る経緯と熱線、爆風、放射線による原爆の脅威、核兵器開発とそれに伴う被害の実態を伝えます。 写真や映像による展示に加えて、触れる展示があります。 「広島県産業奨励館と原爆ドームの模型」や「被爆していない瓦と被爆後の瓦」などを展示し、実際に触れることで原爆の被害を実感することができます。 さらに、タッチパネル式の大型情報検索装置では、関心を持ったテーマについて調べることができます。 20のディスプレイがあり、一度に多くの方が操作できます。 こども版では、関心を高めてもらえるように分かりやすい表現を用い、質問形式による画面展開もあります。
東館3階 「核兵器の危険性」
メディアテーブル
◎ 広島の歩み
 戦時下の広島市内の状況や人々の暮らし、原爆の被害から復興した広島の歩み、広島市や市民の平和への取り組みを伝えます。 壁面上部には、廃虚から立ち上がり、復興に向けて歩む人々や街並みの様子を撮影した写真を投影しています。 また、展示の最後には、ノーベル平和賞受賞者が資料館を見学して記したメッセージを投影しています。 2階にも大型の情報検索装置があり、核実験への抗議文や平和宣言を検索することができます。
東館2階 「広島の歩み」
展示風景
【東館1階で「被爆の実相」を展示】
 1階は無料ゾーンとして、情報コーナーやミュージアムショップ、企画展示室があります。 本館が閉館しているため、企画展示室では、子どもと一緒に被爆した三輪車や3人の中学生の遺品などを本館から移設し、「被爆の実相」について展示しています。 リニューアル後の本館展示が一人一人の被害の実態に焦点をあてるため、展示手法も来館者が人の姿を想起できるように工夫しています。 資料と合わせて遺影や家族の思いを紹介し、亡くなった人が家族にとってかけがえのない存在であったことを伝えます。
東館1階 「1945年8月6日―原子爆弾による被害の概要」
展示風景
【本館の整備】
 東館が開館したことに合わせ本館の改修工事が始まりました。 2018年(平成30年)のリニューアルオープンを目指し整備を進めています。

(平和記念資料館 学芸課)

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