ローマ教皇が記したメッセージと広島市に贈られた燭台を展示
ローマ教皇フランシスコ (広島市撮影)
ローマ教皇フランシスコは2019年(令和元年)11月24日(日)、ヨハネ・パウロ2世以来38年ぶりに広島市を訪れ、平和記念公園で開催された「平和のための集い」に参加し、原爆死没者慰霊碑(広島平和都市記念碑)に献花した後、被爆者の
梶本
(
かじもと
)
淑子
(
よしこ
)
さんと
細川
(
ほそかわ
)
浩史
(
こうじ
)
さん(欠席のため代読)の証言に耳を傾けました。
梶本さんは爆心地から約2.3km離れた動員先の工場で被爆しました。 倒壊した建物の下敷きとなり大けがを負ったことや火傷を負って皮膚が垂れ下がり避難していく人々の悲惨な光景、被爆から1年半後に亡くなった父親のことなどを語りました。
細川さんは爆心地から1.3kmのビルの4階で被爆しました。 原爆により最愛の妹を失い、自身も原爆症の再発に怯おびえながら過ごしてきたことや、被爆者の使命として「次世代にヒロシマを伝承する」ことをメッセージとして訴えました。
その後、ローマ教皇が平和へ向けたスピーチを行い、広島の原爆投下によるすべての犠牲者を記憶にとどめ、被爆者の強さと誇りに深い敬意を表すると述べました。 また「戦争のために原子力を使用することは現代において犯罪以外の何ものでもない」 「核兵器を保有することもまた倫理に反する」と訴え、世界中の人に「戦争はもういらない」と声を合わせて表明することを呼び掛けました。
広島平和記念資料館では12月27日(金)から東館1階でローマ教皇が平和記念公園を訪問した時に記したメッセージと明かりを灯したキャンドル、
燭台
(
しょくだい
)
を展示しています。
メッセージには、「わたしは平和の巡礼者として、この地の歴史の中にあるあの悲惨な日に、傷と死を被ったすべての人との連帯をもって悼むために参りました。いのちの神が、(わたしたちの)心を、平和と、和解と、兄弟愛へと変えてくださるよう祈ります。」と記されています。
燭台は「平和のための集い」の時に原爆死没者慰霊碑前に置かれたものです。 高さ1.15mの
真鍮
(
しんちゅう
)
製で、その上にキャンドルが置かれ、ローマ教皇が明かりを灯しました。
展示を通して、ローマ教皇の平和への強い思いに触れ、世界中の人たちが力を合わせて平和な世界をつくることが必要であることをあらためて考えていただきたいと思います。
(平和祈念資料館 学芸課、啓発課)
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