和文機関紙「平和文化」No.217, 令和6年9月号

令和6年度「ヒロシマ青少年平和の集い」

 平和記念式典に派遣された各都市の平和使節団等(中学生が中心)が集まり平和学習を行う「ヒロシマ青少年平和の集い(平和学習の集い)」を、今年度は拡大し、8月5日(月)および7日(水)の2回開催しました。 17団体172人の参加を得、広島の中・高校生ピースクラブ延べ70人と交流しました。
 集いは、①被爆の実相に関する平和学習と、②グループ討議による平和学習の二つから構成されます。
 ①では、クラブのメンバーから原爆被害概要を説明した後、5日は山瀬潤子(やませ じゅんこ)さん、7日は八幡照子(やはた てるこ)さんが被爆体験講話を行いました。
 ②では、「あなたの地元では、どんな戦争を経験して、それをどう伝えたいですか」、「核兵器をなくすために自分たちは何ができますか」という二つのテーマの下で、活発な意見交換が行われ、それぞれの討議結果が発表されました。
 参加者アンケートによると、被爆体験講話は99%、グループ討議は95%から、よかったとの回答をいただいています。
 また、「平和は当たり前でなく、その大切さがわかった。」との回答も89%に上っており、この集いの意義が示されました。
 さらに、子どもたちからは、以下のような意見が寄せられています。
  • いろいろな地域の生徒と話し合ったり、被爆者の方の話を聞いて、平和についてとても考えることができ、一番印象に残った時間となった。
  • 被爆者の方の実際の体験を詳しく教えてもらい、本当に原爆は沢山の人々を傷つける悲しいものだということを改めて理解することができた。
  • 同年代の様々な地域から来た生徒とのグループ討議で、新しい知識や考え方を得ることができ、楽しかった。
  • 今の当たり前が当たり前でなかった時代を知り、ほんの少しでもいいので、これからも平和について何ができるのか考えていきたいと思った。
  • 子どもは大人と比べたら何かを変える力がとても小さいが、今回の集いで、それでも平和のために行動したい若い人が沢山いるのだと知って、勇気づけられた。
グループ討論の様子
グループ討論の様子
 我々市民社会は、諸課題に現実的に対応していくことは勿論(もちろん)ですが、根底には、日本国憲法に掲げられた平和への理想を持ち続けていくことが重要であると思います。 各地域で大きな役割を果たしてこられた戦争経験者や被爆者の皆さんが非常に高齢となる中、若い世代の平和意識を高めていくために、各自治体が連帯して平和学習を進めていく必要があります。
 被爆地広島としても、被爆80周年となる来年度、8月5日・6日・7日の各日、この「平和学習の集い」を拡大開催します。 今の若い世代は、被爆者の皆さんの話を直接聴くことができる最後の世代ですので、極めて貴重な機会になります。 また、各自治体が参加しやすいよう、来年度、広島市は、国の財政支援を受けて、各自治体の子どもたちの派遣経費に対する補助制度を創設することを検討しています。
 自治体の皆様におかれましては、是非、来年度子どもたちを広島に派遣し、「平和学習の集い」に参加いただくことを、心よりお願い申し上げます。
(平和記念資料館 啓発課)
 
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