和文機関紙「平和文化」No.217, 令和6年9月号

令和6年度「ひろしま子ども平和の集い」

 8月6日、「ひろしま子ども平和の集い(平和文化活動の集い)」を開催しました。 この集いは、平和記念式典参列のために広島に派遣された子どもたちと広島の子どもたちが一堂に会し、被爆体験を学ぶとともに、平和文化活動に取り組む生徒たちが平和への思いや取組を発表するものです。 北は北海道、南は沖縄県まで、日本全国の約50の自治体から1,200人が集まりました。
被爆体験講話を行う梶本淑子さん
被爆体験講話を行う梶本淑子さん
 第一部の「被爆体験を学ぼう」では、最初に、梶本淑子(かじもと よしこ)さんが被爆体験講話を行いました。 続いて、国立広島原爆死没者追悼平和祈念館の朗読ボランティアによる被爆体験記の朗読を聴いた後、参加者全員で、原爆詩「げんしばくだん」を声に出して朗読しました。
被爆体験講話を行う梶本淑子さん
被爆体験講話を行う梶本淑子さん
 第二部の「平和のバトンをつないでいこう」では、広島内外の9団体が発表を行いました。 ユースピースボランティアの被爆地での英語のガイド活動、広島市立己斐(こい)中学校生徒会の「いじめ防止宣言」、市原(いちはら)市(千葉県)や石垣(いしがき)市(沖縄県)の平和大使の活動報告など、各地の中・高校生が、平和な世界の実現に向けた自分たちの充実した取組やメッセージの発表を行いました。
 参加者アンケートによると、被爆体験講話は94%、原爆詩の朗読は89%、平和の取組発表は84%から、よかったとの回答をいただいています。
 また、「平和は当たり前でなく、その大切さがわかった。」との回答も82%に上っており、この集いの意義が示されました。
 さらに、子どもたちからは、以下のような意見が寄せられています。
  • 全国から来た子どもが、平和について学び、考える機会で、とても良かった。これからの世界を担う世代が、平和を意識し、取り組めれば素晴らしいと思った。
  • 被爆者のお話を聞いて、戦争の悲惨さが鮮明に思い浮かんだ。聞いているだけでも耳をふさぎたいことだが、これが現実だということを、とても悲しく思った。この事実を沢山の人に伝えなければと強く思った。
  • 専門家の原爆詩の朗読は、とても感情が投入される。また、一緒に読み上げることで、詩に込められた思いが伝わることが分かった。
  • 様々な地域・学校の生徒が集まって、こうした活動を行うことで、平和への思いを同じくし、平和が広がっていくんじゃないかなと感じた。このようなプロジェクトは、いつまでも続いて行われればいいなと思う。
広島市立己斐中学校のいじめ防止の取組の発表
広島市立己斐中学校のいじめ防止の取組の発表
 この「平和文化活動の集い」は、全国の子どもたちが集まって、平和への思いを分かち合い、日々の実践につなげていく重要な契機となると考えています。 被爆80周年となる来年度、先ほどの「平和学習の集い」と同様、さらに内容の充実を図っていきたいと考えております。
 自治体の皆様には、是非、「平和文化活動の集い」にもご参加いただきますよう、心よりお願い申し上げます。
(平和市民連帯課)
 
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