和文機関紙「平和文化」No.218, 令和6年12月号

国連軍縮フェローシップ・プログラムの受入れ

 国連軍縮フェローシップは、特に開発途上国における軍縮専門家の育成を目的とし、若手外交官等が参加する国連による研修プログラムです。 1978年の第1回国連軍縮特別総会で実施が決定されました。 毎年、広島及び長崎を含む世界各国を訪問し、被爆地では被爆体験に基づいた核兵器の非人道性を伝える研修を実施しています。
 本年も、3日間の日程で、25か国、25名の参加者を受け入れ、41回目となる研修を実施しました。
 研修の初日は、谷史郎(たに しろう)本財団副理事長より、人道イニシアティブの基礎となる核兵器使用の人道的な結果について、原爆被害の広範な壊滅性を説明しました。 また、小倉桂子(おぐら けいこ)さんによる被爆体験講話を行うとともに、平和記念資料館を見学し、被爆資料に触れていただきました。
 初日の研修後には、被爆者、本財団の活動を支える役員・評議員、本財団の役職員との交流の機会も設け、高校生・大学生のユースピースボランティアが通訳を行うなど積極的に会話の橋渡しをし、大いに友好を深めることができました。
交流を行ったプログラム参加者、被爆者及び本財団関係者
交流を行ったプログラム参加者、被爆者及び本財団関係者
 2日目には、被爆の実相を視覚的に実感いただくため、VRツアーを実施するとともに、ユースピースボランティアによるガイドの下、平和記念公園内で原爆ドームや慰霊碑等を見学しました。
香川理事長による講義の様子
香川理事長による講義の様子
 最終日には、香川剛廣(かがわ たけひろ)本財団理事長による進行の下、平和な世界の構築に向けた課題や、広島での研修を受けた参加者がそれぞれの立場で今後取り組むべきことについて、ディスカッションを行いました。
香川理事長による講義の様子
香川理事長による講義の様子
 本研修を通し、参加者からは、「被爆者の方々が経験した苦しみに心を痛めた。」、「原爆の長期的・多面的な影響をより深く理解できた。」、「外交官として、核軍縮の重要性についての意識を高め、核兵器のない世界の実現を目指して活動を続けていこうと思った。」等の感想が寄せられています。
 このように将来の安全保障を担う各国の若手外交官等の皆さんと、平和に関心をよせる広島の若い世代とが交流を深めたことも、大変重要であると考えています。
(平和市民連帯課)
 
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