核兵器廃絶に向けた米国オンラインニュースへの意見寄稿と
核兵器保有国及び核の傘の下にある国々へのメッセージの発出
今年8月下旬にジュネーブの国連欧州本部で開催された 「多国間核軍縮交渉の前進に関する国連公開作業部会」において、「核兵器の法的禁止の交渉を2017年中に開始するよう国連総会に勧告する」との報告書が賛成多数で採択されました。
 これを受け、平和首長会議では、国連総会での議論を後押しするとともに核兵器廃絶に向けた機運を醸成するため、国連が制定した「核兵器の全面的廃絶のための国際デー」(9月26日)に合わせ、米国のオンラインニュース「The Nation」に意見を寄稿しました。
 また、10月3日から開催された国連総会第一委員会に合わせ、核兵器国及び核の傘の下にある国々に対し、リーダーシップの発揮と、核兵器のない世界に大きく歩を進めることを要請するメッセージを発出しました。
 それぞれの概要は次のとおりです。

「The Nation」への意見寄稿
 世界の為政者が、核兵器に依存しない安全保障を目指すことを一般市民が切に願っていることを十分理解し、決意を持ってそのための取組を強化することは急務となっている。 その過程で為政者達は、世界の広範な市民が同朋意識のもとでの結束を重視していることを、理解していくこととなる。
 世界の為政者は、今こそ発想を転換し、核兵器の禁止に向け果断なリーダーシップを発揮すベきである。 為政者の核兵器廃絶に向けた明確な決意は、必ず核軍縮・不拡散に向けた取組を加速させる。 被爆者の核廃絶に対する切実な思いを理解した為政者が、違いを越えて協力し、核兵器廃絶の障害を乗り越えたとき、核兵器禁止条約の締結に向けた取組が進むと信じている。
 平和首長会議は、幅広い市民社会のパートナーと共に、世界の為政者のイニシアティブを全面的に支援するとともに、国際社会の相互理解と協力の促進のために、市民社会の幅広い潮流を強化していく。 今こそ、国、地方自治体と市民社会の多様な構成員が一体となり、核兵器廃絶に向けて核兵器の法的禁止を進めるべきである。

核兵器保有国及び核の傘の下にある国々へのメッセージ
 過去の核軍縮は、国際緊張の高まる中、為政者相互の歩み寄りの努力によって実現した。 キューバ危機から間もない1963年、ケネディとフルシチョフは部分的核実験禁止条約に合意し、1986年にはレーガンとゴルバチョフが核軍縮と中距離核戦力全廃について話し合い、翌年の二国間条約締結につながった。
 今日の国際社会も緊急的な状況に直面しており、勇気と英知を結集して互いに歩み寄り、リーダーシップを促して問題解決に当たるべきである。 新たな課題に対応するためには新しい考え方と斬新なアプローチが必要であり、国際社会が総力をあげて協議し、現実の課題にいかに対応していくかを議論しなければならない。 核兵器国及び核の傘の下にある国々、そしてNPT(核兵器不拡散条約)非加盟国は真剣に議論を重ね、核兵器に依存しない安全保障を検討することが急務であり、今こそ世界の為政者は果断なリーダーシップを発揮すべきである。
 市民社会は、同胞意識を育むことで、政治的リーダーシップの実行にふさわしい環境を整備するという側面において、重要な役割と責任を負っており、世界の為政者の力になれると考えている。 平和首長会議も引き続き核兵器廃絶の進展に取り組み、その環境作りのためのイニシアティブを後押しする。 核廃絶を「目指す」だけでなく、実際に進展させることは、政治情勢全般の改善に寄与し、他の国際問題の平和的な解決や平和の実現をも促進すると確信している。

(平和連帯推進課)

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